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9/14,2001: こまかいノウハウを追加・訂正
5/31, 2001: ページ公開
[]自作プリント基板・・・アートワークは大変だし、廃液処理も面倒。こんな イメージもあってちょっと敬遠していました。 ところが昨今の表面実装デバイスの隆盛とともに、ユニバーサル基板で エイヤッとやってばかりいるわけにはいかなくなってきました。 そこで気合をいれてチャレンジしてみると・・・なんだ、意外と簡単じゃん!
←こんな両面基板が自作できます。
↓拡大するとこんな感じ。0.5mmピッチQFPもばっちし。
![]()
ポイントは・・・
- 一昔前と違って、家庭用プリンタでも十分な解像度が得られます
- レーザプリンタよりインクジェットのほうがOHPシートにムラなくインクがのります
- スルーホールを使わずに「半両面基板」のつもりで作ると楽チンです
アートワークのコツ
- 穴を減らす
- なにが面倒って、後で穴あけをするのが一番面倒です。 表面実装部品を多用して、とにかく穴を減らそう。
- ランドは大きく
- 穴を開ける必要のあるランドはできるだけ大きくします。 手作業で穴を開けるとどうしても位置がずれやすいし、 ドリリングするときにランドがはがれやすいからです。
- 半両面基板(?)のつもりで
- スルーホールは大変です(やったことないけど)。 両面基板もできるだけ片面で済むように設計して、 裏面の配線を減らすようにすれば結果的に穴も少なくて済みます。 部品の足を両面からハンダ付けすることで 基板の表面と裏面を接続するようにすると簡単。
- 回路図もアートワークを意識して
- 回路図を描くときからある程度基板レイアウトを意識したほうがいいです。 コネクタにピンを割り当てるときも、配線の容易さを考慮すると後々楽。 回路図用に部品のライブラリを作るときは、ピン配置をフットプリントに 合わせるとデザインしやすくなります。
- 部品の大きさを考えて配置
- 部品の配置は実装時の大きさを考えて配置します。 周囲の部品や他の基板の部品にぶつからないように注意。 特にコネクタには気をつけよう。
- 単位はmmとmilが混在しがちです。換算の仕方は
100mil = 1/10inch = 2.54mm
1mm = 39.4mil
- チップ部品の寸法はJISとEIAで呼称が違い、ややこしいです。以下の表を参考にしてください。
JIS CODE EIA CODE L(mm) W(mm) 0603 0201 0.6(+/-0.03) 0.3(+/-0.03) 1005 0402 1.0(+/-0.05) 0.5(+/-0.05) 1608 0603 1.6(+/-0.10) 0.8(+/-0.10) 2012 0805 2.0(+/-0.10) 1.25(+/-0.10) 3216 1206 3.2(+/-0.20) 1.60(+/-0.15) 3225 1210 3.2(+/-0.20) 2.50(+/-0.20) 4520 1808 4.5(+/-0.20) 2.00(+/-0.20) 4532 1812 4.5(+/-0.30) 3.20(+/-0.20) 5720 2208 5.7(+/-0.40) 2.00(+/-0.20) 5750 2220 5.7(+/-0.40) 5.00(+/-0.40)
道具の準備
- インクジェットプリンタ
- 専用OHPシートに作図したアートワークを印刷します。 最近の機種なら解像度は十分なレベルでしょう。 レーザプリンタだとインクののりが薄い上に、ムラになります。 インクジェットが断然お勧め。
- 感光基板・現像剤・エッチング液
- サンハヤトのものが入手しやすいです。値段もそんなに高くないはず。
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現像剤とエッチング液。廃液処理剤もついてきます。
- エッチング袋
- タッパーなどの容器を使わなくても、このエッチング袋に 基板とエッチング液を入れてジャブジャブすれば綺麗に エッチングできます。とても便利。ただし,エッチング液にお湯を混ぜて 使うので,エッチング液の再利用は難しく,毎回廃液処理をする必要が あります.
なので,余裕があれば サーモヒータ (写真はここ)とタッパーを 使うといいんじゃないかと思います.
エッチング袋は500円しないし、何度も使えます。
- 露光器
- 蛍光灯や太陽光でも露光できますが、やはり専用の露光器があれば 早くきれいに仕上がります。
写真は殺菌灯を利用して作った露光器の例(T先生作)
サンハヤトの ちびライトも手頃な値段で良さそうです.
- バキュームクランプ
- ガラスと透明なフィルムの間に基板をはさんで空気を吸い出し、 基板とアートワークのフィルムを密着させる仕組みです。 両面基板を作るときに特に重宝します。サンハヤト製。
これはたまたま研究室にあったのですが、 PKクランプでも十分かもしれません.
露光と現像
- 出図
- インクジェットプリンタで専用OHPシートに出力。 印刷面が基板に密着するように印刷します(こうするとくっきり露光できます)。 もちろん解像度が最大になるように設定。
例えばEPSON PM-800Cでは以下のような感じ(用紙設定でOHPシートを選択すると解像度が落ちちゃう)。
こんな感じで印刷できます。十分な精度で印刷できたかどうか目視でよくチェック。
スーパーファイン専用紙
インク : 黒
印刷品質 : フォト
マイクロウィーブ : ON
双方向印刷 : OFF
スムージング : ON
![]()
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- 露光
- 両面基板の場合、感光基板と同じ厚さの基板の切れ端を用意。 2枚のOHPシート正確に重ね合わせ、間に基板の切れ端をいれてテープで固定します。
穴の位置がぴったり重なるようにしよう。
この間に感光基板を入れ、バキュームクランプで挟んで露光器をON。 露光時間は長めの方がいいみたい。僕は2分30秒から3分にしてます。
- 現像
- 露光ができたらすかさず現像。ぬるま湯で溶かした現像剤をタッパ―等に入れ 基板を沈めてゆすると、すぐに紫外線に当たったところが青く溶け出してきます。 タイミングよく引き上げないと必要な部分まで溶けちゃうので、 現像液の温度はかなり低め(20-25度程度)にしたほうがやりやすいです。
現像できたら水洗いしておきます。
エッチング
エッチング袋にエッチング液とお湯を1:1の割り合いで入れ、 基板を入れて袋の口をしっかり閉めてこまめにゆすります。 銅が溶け出すのが目で見えるので、きれいに溶けきったら基板を引き上げ洗浄。このとき感光剤が表面に残るけど、まだ除去しません。 穴あけをするときに表面を保護する効果が期待できるためです。・・・と書きましたが,ドリルで穴を開けるときに熱が発生して硬化してしまい, うまく除去できなくなる場合があるので,やっぱり先に除去したほうがいいです.
うまくいくと感動的なほど美しく仕上がります。
感光剤の除去
基板を再び露光器に入れて全体を十分に露光させます。このとき気をつけて 欲しいのは「蛍光灯の上に直接基板を乗せたりしてはいけない」ということです. 蛍光灯の表面は温度が高いため,直接感光剤が触れると変質して除去が困難に なってしまうからです.露光が終わったら,現像液につければ感光剤がきれいに溶けて銅箔面が 露出します。このときは「これでもか!」ってくらい十分に溶かしましょう. 表面に少しでも感光剤が残っていると,ハンダがうまくのりません. どうしても除去できないときはクレンザーを付けたタワシでゴシゴシ磨きます.
穴あけと仕上げ
- 穴あけ
- 穴あけは面倒です。卓上ボール盤などを使い、一つ一つ丁寧にドリルをあてます。
穴のサイズはまあ適当なんだけど、僕は以下のようにしてます。
標準的な部品 : 0.8mmか0.9mm
足の細い部品・ビア : 0.6mm
ヘッダコネクタ等 : 1.0mm
両面基板の場合,基板の材料がガラスエポキシで非常に硬いため,通常の ドリルではすぐになまってしまいます.できれば,秋月電子で売っている タンガロイ製のドリルなど,硬いものをつかうといいです.
穴を開けたら、バリ取りをします。片面基板の場合は,バリはほとんど 発生しないと思います. 両面基板だとやっかいで、バリをとるために太目のドリルでさらったりすると ランドまで剥がれちゃう可能性大。 カッターを使うのも神経を使って大変です。
だれか「バリの出ない穴あけ方法」か「簡単にきれいにバリを取る方法」を 知ってたらぜひ教えてください!バリが発生しないようにするには,ドリルの回転数をできるだけ上げたほうが いいようです.また,両面基板の場合は「両面から穴を開ける」というのが, 解決策の一つです(面倒ですが).
- 仕上げ
- 穴あけとバリの除去が済んだら、酸化を防ぐために全体にうすく フラックスを塗布するといいでしょう. スプレータイプのやつが便利です.薄めに シューっと吹きかけたあと,コピー用紙みたいなのを上からかぶせて 手で軽く押さえつけると,余分なフラックスを吸い取ることができます. 十分に乾くまでしばらく待ちましょう.
これで完成!!お疲れ様でした。
あとしまつ
- 酢とセメントを用意
- 現像液を処理するために酢を、エッチング液の最終処理用にセメントを用意します。
どっちも一番安いのでOK。
- 説明書をよく読んで処理
- 現像液は酢を混ぜた後指で触ってみて、ヌルヌルしなくなったら処理完了。 エッチング液は処理剤を2種類混ぜた後、セメントで固めて燃えないごみへ。 処理にはちょっと時間がかかります。
エッチング液を処理するとなんだか気持ち悪い色に。
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